PHCホールディングス株式会社(本社:東京都港区)傘下のウィーメックス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:大塚孝之、以下「ウィーメックス」)は、この度、公立大学法人福島県立医科大学(所在地:福島県福島市、理事長兼学長:竹之下誠一、以下「福島県立医科大学」)の腎臓高血圧内科と連携し、ウィーメックスのリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を活用した透析領域での実証実験を行いましたので、お知らせいたします。国内の透析領域における「Teladoc HEALTH」の活用は、今回が初めてとなります。
#透析領域での遠隔医療活用(以下「遠隔透析」)の課題
透析とは、腎臓の機能を失った方が尿毒症にならないよう、腎臓に代わって老廃物や水分を排出する治療法です。透析の一つである「血液透析」では、患者さんは4~5時間かかる透析を1週間に約3回受ける必要があります。
福島県内では、透析の専門医や専門スタッフが不足しており、患者さんは専門医のいる遠方の病院へ通院しなければいけない状況です。福島県立医科大学では、2018年より、透析装置から得られる数値やカルテ情報を4カ所の施設と共有しながら、電話やWEB会議システムを用いて遠隔透析を行っていましたが、遠隔透析を進めていく中で、より質の高い支援をするために、大きく3つの課題がありました。
<遠隔透析における3つの課題>
1. 電子カルテや電話での情報だけでは、治療方針を決める事に困難を感じていた。
2. 紙カルテで運用されている施設では、カルテ内容を全て耳で聞く必要があった。
3. WEB会議システムの映像だけでは、治療に必要な情報を十分に得られない事があった。
これらの課題を解決すべく、この度、ウィーメックスが提供するリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を活用した実証実験を実施する運びとなりました。
#リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を用いた実証実験
今回の実証実験では、「Teladoc HEALTH」の最上位機種「Lite 4」を活用し、専門医と現場の臨床工学技士や看護師を繋いだ遠隔コンサルテーションを実施しました。遠隔コンサルテーションとは、離れた場所にいる医療従事者間で患者さんの診療情報や検査画像等を共有しながら診断・治療方針等に関して相談するものであり、医師の地域偏在といった課題に貢献できると考えられています。
<実証実験の概要>
・期間:2022年12月5日(月)~2023年3月31日(金)
・実施場所:福島県立医科大学、実証実験協力病院(遠隔透析を支援いただいている病院)
・実施内容:「Teladoc HEALTH」を実証実験協力病院に設置。福島県立医科大学から、「Teladoc HEALTH」へ接続し、遠隔からカメラを操作することで、患者さんや現場の様子を確認し、コンサルテーションを実施。
本実証実験を通じて、医師は、患者さんや現場の様子を能動的にリアルタイムで確認でき、より精度の高い診察を行うことができました。また、「Teladoc HEALTH」のカメラのズーム機能により、紙のカルテも問題なく遠隔地から読むことができるため、これまでのように現場の医師がカルテ情報を読み上げる必要がなくなりました。
さらに、本実証実験にて得られた大きな効果の一つが、患者さんからポジティブなフィードバックを得たことです。これまでは、医療従事者間のみでの情報共有に留まっていましたが、「Teladoc HEALTH」の活用により、患者さん自身がリアルタイムで診察を受けている実感を得ることができ、患者さんが自ら症状を細かく医師に説明できるようになりました。医療従事者間の情報共有のみならず、患者さんとのコミュニケーションを通じて、より精度の高い診察の実現に貢献しています。(参考:第68回日本透析医学会学術集会・総会における渡邊先生のご発表資料)
本実証実験で遠隔透析を担当した、福島県立医科大学医学部腎臓高血圧内科学講座主任教授、先端地域生活習慣病治療学講座主任教授の風間順一郎先生は、次のように述べています。『「Teladoc HEALTH」を用いたことで、専門医が欲しい情報を能動的に得る事ができるようになりました。また、医療従事者のみならず患者さんともコミュニケーションがとれ、より質の高いリアリティのある診察が行えると感じました。今後は、電子聴診器を介した血管内の渦流音やエコー画像をリアルタイムに共有することで、実際の診察に近づけられると考えています。』
詳しい実証実験の内容につきましては、下記サイトにて公開しております。
https://www.phchd.com/jp/bx/telehealth/casestudy/dialysis/fukushima
#リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」について
専門医の少ない医療機関と遠隔地の専門医をオンラインで繋げる、リモート操作可能なリアルタイム遠隔医療システムです。超音波診断装置などの周辺医療機器と接続し、患者さんの容体を短時間で把握することができます。遠隔地にいる医師主導で操作を可能とし、最上位機種(モデル:Lite 4)は、45倍ズームおよび約360度回転が可能な高解像度カメラを搭載しています。
<ウィーメックス株式会社について>
ウィーメックス株式会社は、グローバルヘルスケア企業として事業を展開するPHCホールディングス株式会社(証券コード6523 東証プライム)の日本における事業子会社です。企画・開発から販売までワンストップでサービスを提供する新体制として、2023年4月より新会社として事業を開始しました。「メディコム」ブランドの医事コンピューターや電子カルテシステムの他に、薬局経営のサポートや特定保健指導の支援、遠隔医療システムなどを提供しています。また、2023年10月に富士フイルムヘルスケアシステムズ株式会社より電子カルテ・レセプト関連事業を取得しました。国内の「医療DX」を推進するヘルスケア IT製品・サービスを通じて、患者さんへの医療サービス向上と医療従事者の業務効率化に取り組んでいます。
https://www.wemex.com/
□所在地 :東京都渋谷区渋谷3-25-18 NBF 渋谷ガーデンフロント14F
□代表者名 :代表取締役社長 大塚 孝之
<PHCホールディングス株式会社(PHCグループ)について>
PHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)は、健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念とするグローバルヘルスケア企業です。傘下にPHC株式会社やアセンシア ダイアベティスケアホールディングス、エプレディアホールディングス、株式会社LSIメディエンス、ウィーメックス株式会社、などを置き、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域において、開発、製造、販売、サービスを行っています。2022年度のグループ連結売上収益は3,564億円、世界125以上の国と地域のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。PHCグループはPHCホールディングス株式会社とその事業子会社の総称です。
https://www.phchd.com/jp
<公立大学法人福島県立医科大学について>
福島県立医科大学は、福島県立女子医学専門学校を母体として、1947年に旧制医科大学として開学、1952年に新制医科大学としてスタートしました。その後、1998年には看護学部を、2021年には保健科学部を開設し、3学部6学科体制の医療系総合大学へと大きく進化し、2023年4月に福島県内唯一の助産師養成課程として、別科助産学専攻と大学院看護学研究科博士前期課程看護学専攻母性看護学・助産学領域助産師コースを開設しました。
本学は、福島県民の保健・医療・福祉に貢献する医療人の教育および育成を目的として設立されました。同時に、研究機関として、「絶え間ない研究の成果を世に問い続ける」という重要な使命を担っています。
本院は、医科大学附属の総合病院として、39診療科・778床の施設を有し、先進医療の充実や診療体制の整備に努めております。こうした中、1日の平均入院患者数570名(令和4年度。速報値)、1日の平均外来患者数は1,494名(令和4年度・入院中外来受診者を除く。速報値)を数え、県民の皆さまに広く利用 されております。附属病院ではこれからも地域を照らし、多様化する医療に対する県民の皆さまの期待に応えてまいります。
<本件に関するお問合せ先>
お客様 |
ウィーメックス株式会社 デジタルヘルス事業部 遠隔医療ソリューション部 Email:pj-telehealth-contact@ml.wemex.com |
報道関係者様 |
PHCホールディングス株式会社 IR・広報部 電話:03-6778-5311 E-mail:phc-pr@gg.phchd.com |
<福島県立医科大学に関するお問合せ先>
公立大学法人福島県立医科大学 広報コミュニケーション室 電話:024-547-1016 Email:pr-str@fmu.ac.jp |