WEMEXストーリー4 新規事業の 立ち上げ
WEMEXが参入する電子カルテシステムやレセプトコンピューターの市場では、今後も拡大が期待できる一方で、「医療DX令和ビジョン2030」*1を機に、事業環境や顧客ニーズの変化が想定されています。そのような中、多様な収益源の確保と、新たな医療ニーズに応えるために、新規事業を開発する部署を立ち上げました。ここでは、今後上市を想定する新規事業ついて紹介します。
来たる時代に向けて動き始めた新たなビジネス
WEMEXでは、前述のクリニックや調剤薬局向け商材の他、健康保険組合や健診・指導機関向けに健診や特定保健指導に関連する商材・ソリューションを提供しています。新規事業の開発部署では、これらの商材を起点とし、医療業界の課題解決を目指した新たなサービスを検討しており、現在ローンチに向けて鋭意準備を進めています。
そのひとつとして、医療機関で深刻な問題となっている、医療事務人材の不足を解決するBusiness Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング:以下「BPO」)サービスの開発が挙げられます。こちらは、セキュアなインターネット回線を通じ、弊社が提供するレセプトコンピューターを利用したレセプト請求業務をリモートでサポートするサービスです。
導入により医療事務の一部をアウトソースすることで、医療事務スタッフの人手不足や退職リスクなどの問題を解消し、医療機関の事業継続性に貢献することを目指しています。
トライアルでサービスをご利用いただいた医療機関からは、「会計作業を外注できるので患者さんの対応に余裕が生まれた」、「スタッフの突然の休みでも患者さんへの影響を少なくできた」などご好評をいただいております。
リーンスタートアップを活用して新規事業開発に挑む
WEMEXでは新規事業を検討する際に、リーンスタートアップという手法を導入しています。新規市場に参入する際、最初はなるべくコストをかけずに想定している顧客に対してサービスを提供し、その反応を見ながら少しずつ開発を進めていくという手法で、リスクを最小限に留めるだけではなく、コストや時間を抑えながら効率よく新規事業開発を行うことができます。
事例として、電子カルテシステムの医療データ(リアルワールドデータ:以下「RWD」)を活用した事業を検討しており、RWDに基づき作成された患者個別動画配信サービスや、RWDの二次利用による治験効率化や診断・治療の適正化を促進するサービスについて事業性を検証しています。いずれもWEMEXだからこそ実現できる医療課題の解決策になると考えています。
また当部署の特徴として、スタートアップさながらの少数精鋭で新規事業を検討しているため、各部員が事業企画、事業推進、営業、運用など多岐に渡る業務を兼務しています。一人ひとりの担当範囲は広くなりますが、各々新しい事業を立ち上げるための試行錯誤を楽しみつつ、横断的に仕事に取り組むことで、日々成長できる環境が整っています。
面白さと難しさが併存するこの仕事の二面性
WEMEXは、電子カルテシステムとレセプトコンピューターといった高いシェアを誇る商材を市場へ提供しています。新規事業の開発に際し、市場カバレッジが高い既存事業をベースに事業を検討できることは、非常に魅力的な環境であると感じています。
一方で、強固な既存事業をベースとした新規事業開発ならではの課題も存在します。例えば、前述のRWDを活用したサービス検討において、患者の個人情報を活用する際に、既存事業でカバーするデータ利活用の許諾範囲を超えた業務を行うため、追加でデータ保有者に対し理解と利用許諾を取得しなければならないという課題がありました。
事業性のある新規事業を開発するためには、既存事業の特性を深く理解し、適切に施策を遂行する必要があることを実感した事例でした。
未来への展望
日本の医療・ヘルスケア分野では、医療業界の人手不足、医療体制の地域格差、諸外国と比べたRWD活用や医療DXの遅延など課題は山積しています。私たちは、市場で広く利用される商材やサービスを多く取り扱うWEMEXだからこそ、解決できる課題があると考えており、医療・ヘルスケア分野の課題を解決し、世の中に新しい価値を提供し貢献するために、新規事業の開発に向けてメンバー一同取り組んでまいります。
- 2024年3月時点
- 出典:「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_210261_00003.html